100%フェルトの大判ストールを作るのは、とても繊細で根気がいる作業です。
なぜなら、180㎝の長さに仕上げようと思えば、
3メートル程の広さに原毛を同じ手付きで幾重にも薄く均一に置かなくてはならないからです。
縮絨率が大きいほど薄く丈夫です。
厚すぎたり縮絨しすぎたものは、しなやかさに欠け快適ではありません。
その点、布フェルトはベースにする生地が既に仕上がっているので、
原毛を置く量を少なくすれば、短い時間と少ない労力で仕上がります。

この写真は、先日のワークショップでリネン100%の白い大判ストールを草木染めしたものをベースに布フェルトを施したものです。
初めての方の作品ですが、表と裏の毛の配置や配色をよく工夫されています。
羊毛が縮絨することで、リネンがシャーリング加工のようになっています。
リネンとフェルトの素材感がとても面白いですね。
大事なのは、生地の選び方と原毛の置き方です。
シルクオーガンジーストールは20gくらいで、リネンよりも軽くふんわりとした張りが出ます。
シフォンは柔らかで軽さも同じくらいですが、生地に張りが無いので初めての方は布が濡れた時に扱い難く感じるかもしれません。
綿ガーゼのストール生地は50gで、リネンより肌に優しく馴染みしなやかになります。
リネンは重さがあり、70gくらいです。
大きな作品を作る前にサンプルを作れば、生地が羊毛で縮められたようになった時の表情が分かり、
求める仕上がりに近づけられます。
サンプルはA4サイズくらいの生地でよいでしょう。
毛を置く方向に縮まりますから、写真のように横に並べれは横幅の狭いストールに仕上がります。
今回使った毛の量は、一つの模様で0.25gです。
きっと皆さんのご想像以上に少ないでしょう!
肩に掛けるものは出来るだけ軽く作り、好みの風合いにすれば、きっと長く愛用できますよ。

写真は染色前のリネンストール生地。
透けるくらい薄く目の粗い生地であれば、原毛繊維が生地に入り込み、しっかりフェルト化できます。
目の詰まった絹のサテン生地は不向きです。
びわこ布巾のような目の粗いコットンの平織りは生地や織り糸が存在感があるので、
フェルトの厚みもよく検討しベースに負けないよう調和させることです。
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