フェルト制作アトリエの春夏秋冬

チホレーヌのブログ

「円めがねのひつじ歳時記」

帽子作りのこと、素材のこと、羊やフェルトに関する資料、本建て正藍染めなど、四季折々、フェルト作家のアートな暮らしを綴ります。

ウールを藍で染める


ウールを藍で染める際に鼻を衝く臭いのするハイドロや強烈な苛性ソーダを用いると、

羊毛の美しいキューティクルがガッサガッサに劣化してしまいます。

小学校の運動場の石灰を恐がっていた記憶も鮮明にあって、

消石灰等を用いて管理する藍建ての方法は自分には向かないと思っていました。

何より、循環型の羊を使ったアートフェルトの制作において、合成されたものを使いたくなかったこともあり、

随分の間、藍で羊毛を染めること諦をめていました。

春に伺った親戚の個展で藍色の話を聞き、再びウールを藍で染められないだろうかと悩んでおりましたが、

この際、本腰を入れて継続的に学ぼうと佐野市の藍染め工房紺邑さんを訪れました。

自然の循環と調和、より安全で持続可能な方法を探して巡りあえた「本建正藍染」です。

落葉樹の灰汁と蒅の妙。自然に還る貝の灰と麸の静かな語らい。

この室町時代の建て方と管理方法なら、私の長い夢だった藍色の羊毛をよりシンプルな手法で作ることが出来るのです。

フェルトは紀元前6500年前後に始まったもの。

草木染のために育てている日本紫、日本茜、紅花、小鮒草、藍からは、古(いにしえ)の日本の色が表れます。

私が制作で大切にしていることや心惹かれることは、どれも古くから伝承されてきたことのようです。

私にとってウールを藍で染めることは、まだ始まったばかりの楽しい挑戦です。

写真は紺邑さんの工房にて、原毛やフェルトのベレー帽子などを藍染めさせて頂いているところ。

途中で人懐っこいウサギさんが覗きに来ました。

藍の華も強い匂いもなく、ここに流れているのは近くの山の新緑の香りと、谷を舞う風だけ。

楽しくて夢中で灰汁に浸してます。黒ずまない紺邑さんの藍色に、すっかり魅了されました。

#染料植物 #藍染め #ウールの染色

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