お蚕さんの吐いた糸は、私の手のカサカサも、ササクレも、見逃してくれない。
天気予報サイトの「素肌乾燥指数」。 指数80はなめらか、70はしっとり、との説明書きを読んでも、実際その微妙な違いはいまいち良くわからないのだけど。
しかし、絹を触ればその違いは否応なしに判る!
指先のほんのわずかな乾燥度合いの変化で、繊維の指離れが良く作業が捗ったり、はたまた無数の納豆の糸のように(笑)細く絡みついてくるのですが、これが実に厄介です。

只今、帽子のスベリ(内側のリボン)を、絹糸を染めて織ってみることを試みており、初めて絹の"繊維"ではなく"糸状"のものを取り寄せて吟味しているところです。 甘撚り、甘双撚り、片撚り、絹紡、玉糸、手紡ぎ、野蚕、キビソ、、、番手を調べながら何度も指で撫でて具合を見ます。 「糸」であっても引っ掛かりやすいもの、毛羽立たち難いもの、様々です。
こんなうきうきする作業も、指に引っ掛かるたびに、独り木枯らしに吹かれたかのような、なんともカラカラとした気持ちに包囲されてしまうのだけど。
相当迷ってようやく決まりました。
人は行動している時間より、考えている時間のほうが長いそうですね。
どれだけ頭の中で展開しても、目の前には実際何も無いのだけれど、、。
即決即断?効率化? No!
アイディアを積み重ねる時間も大事なウォーミングアップ。
すべての創作は想像と閃きの累乗で生まれるのだから。