フェルト制作アトリエの春夏秋冬

チホレーヌのブログ

「円めがねのひつじ歳時記」

帽子作りのこと、素材のこと、羊やフェルトに関する資料、本建て正藍染めなど、四季折々、フェルト作家のアートな暮らしを綴ります。

冬の藍染め、オーダーのフェルト帽子のこと

チホレーヌでは、オーダーの帽子を一つ仕上げるまでに、よりお好みに合うよう実は他にもいくつか制作しています。その分長くお待たせしてしまいますが、オーダーをいただいている藍染めのクロッシュは、「心地よい帽子になるよう仕上げてもらえれば、、」とのお言葉に支えられて、染めを焦らず晴れの日を待ち、じっくり作らせていただいております。

染め重ねてようやくお望みの藍色に近づき、完成の兆しが見えてきましたが、もう春になってしまい心苦しいところです。

納期の目安も当てにならずとても申し訳ない気持ちです。

同じウールであっても、織り地と違いハンドフェルトの藍染めは一筋縄では行かないようです。

しっかりフェルト化させているので、水も容易に通しませんし、繊維と繊維の間に空気を多く含んでいますし、帽子ですからミリ単位のサイズ調整をしながら染め・洗いを繰り返すので、、、作っているのは自分自身なのですが、ハンドフェルトの藍染めは思っている以上に多くの技術が必要です。

私が行う本建て正藍染は、染めるたびに太陽のもとでしっかり陽射しに当てないといけません。丈夫な、つまり、色落ちや色移りが無く、人を紫外線や菌から守り、遠赤外線の効果で人を温めることのできる藍染め製品にするためです。

お日さまが顔を出す時間が少ない冬の間は、束の間の陽射しも貴重です。焦らず半歩、一歩、二歩と進むので、仕上がりまで長くお待たせしてしまいます。陽射しの少ない冬は藍染めのペースがとてもゆっくり進みます。


その間、染めることで藍甕のなかに浮遊する藍の成分が減るので、最も自然な方法で手入れ(維持管理)をします。

薬品を用いたりph(ペーハー)を計って調整することもせず微生物の醗酵が頼りです。

染めの技術・維持管理の経験も日々積み重ねて行こうと思います。


下の写真は二年半を過ぎたご年配の藍甕。ベージュ色の染め液ですが、ワイルドシルクのショールが澄んだ浅葱色に染まります。


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